ここでは、話題となっている新書について御紹介しましょう。
「いつかは持家を」と思っている人もそうでない人も~『住宅政策のどこが問題か』平山 洋介著(評者:澁川 祐子)【奨】光文社新書、860円(税別)は、現在話題を呼んでいる注目の新書です。
都市計画を対象とした研究業務を専門的に行っている著者が、現在の日本における住宅難や住宅問題が自然に発生したものではなく、政府の政策によって人為的に作り上げられて物であるとの大変興味深い主張をしています。
自己所有の持ち家、マイホームを持つことは、人生においては就職して仕事を持つことや結婚して家庭・家族を持つことと同じくらい重要な意味を持つものとして、戦後の日本においては人びとの憧れの的となってきました。
賃貸住宅が、月々の家賃を支払い続けても最終的に手元には何の資産も残らないのに対し、持ち家は、住宅ローンの返済金額を家賃と同様毎月支払っていった場合、年をとってローンを返済し終われば、不動産としての資産が手元に残り、食費さえあれば生きていける状態が確保でき、高齢化社会における老後の安心を保証する機能があります。
このような利点を生かし、社会保障費の削減などのため、政府が持ち家を買うことを奨励する住宅支援政策を行ってきたとするのが筆者の主張です。